社長の部屋CEO's ROOM

03.随想編

「残り時間」

2015.06.13

 現在62歳という歳になる。「歳を重ねてしまった。」というと多くの人がまだまだ若いと言ってくれるが、「未だ若い」という形容詞を付けられること自体が老人なのだと思っている。

 実際に色々な会合に出れば社長などの役員や公務員特別職でなければ、皆年下だ。かつて県の部長課長職等と言えばはるか年長の迫力ある人たちに見えたが、今は皆年下でなんとなくかわいくさえ見えるときがある。同級生の集まりに出ると、ごく一部の経営者以外は表情もすっかり好々爺で孫や健康や趣味の話で盛り上がり、昔日の引き締まった表情もなく政治経済の話も空論で終わる。

 これは実害のある話でもなくビジネスのゴールを切ったランナーの憩いの語らいだから良しとしても、冷静に自分の残り人生を考えると焦りを感じることも多くなった。テレビで70歳代の年齢表示が出れば、あと10年であの姿になるのかと我が身と比べる自分がいるのを感じる。確かに90歳でフルマラソン走る人もいるが、60歳で100mを10秒台で走れる人はいない。個人差はあっても生きてる限り、必ず老域に入る。戻れない道を歩いている。今ここで何か遣り残しはないかと考えねばならない個人的時期と感じる。

 今までの人生で「今は金がないから我慢しよう」、「今はヒマがないから何時か時間出来たら挑戦しよう」などと先送りしてきたことがもう先送りする残り時間が無くなってきたのを感じる。今持っているテーマと今から出会うテーマに対して「今からやるのか」、または「もう人生でこれは手を付けないのか」の結論を出していかねばならないと思うようになってきた。買いたいものがあったら買うか諦めるか、行きたいところあれば行くか諦めるか、挑戦したい行動テーマなどあればすぐ始めるか自分の人生から除外するか…、今までの人生と違った判断をせねばならない気がする。

 今、新しいスポーツや趣味を始めても年々間違いなく人間の能力は落ちていく。もし高みを目指すのであればすぐにでも始めねばならない。買いたい車があれば人生最後の車と思って派手な車を買ってもいいだろうし、アルプスに登りたければ1年以内に実行する位の準備を今始めねばならないと思う。
 もう残り時間は少ない、会社や家族や社会の為に生きる人生であってもいいが、今やらなくて本当の晩年になってやらなかったことを後悔しそうなことがもっとありそうな気もする。

 仕事で言えば妥協しないで通すか、もう自分が達成するのは諦めるという選択をするかという判断が多くなるだろう。自分の力での達成は諦めても、会社の成長過程として必要なことは他の人の力を借りてでも達成することを目指さねばならない。会社の成長に停滞は許されない。停滞はあっという間に凋落に変わるから。「いつかやれるだろう」という安易な先送りはしない生き方をもう一度見直したい。もうカウントダウンの日々を生きていることを自覚しながら日々を充実させていきたいものだとつくづく感じる。

追記
 本当は全ての人間が生まれたときからカウントダウンが始まっている。若い頃はそれに気づかず、いつまでも維持または成長できると誤解しているが、少なくとも40歳過ぎて体力も知力も成長はあり得ない。努力して回復と維持と低下を遅らせることだけが出来ることだ。
但し「経験と学習」が失ったものを補ったり、それ以上の成績を出せることもあるので、これから先が人によってその力と生き方や行動の差が出る。60歳も過ぎれば「経験と学習」は補てんであっても、能力の拡大には及ばなくなってきたのも感じる。体力の衰えに知力の衰えも自覚すべきだろう。今からは人の力を使って自分の力を発揮できる時間がもう少し残されている。これが本当の私の残り時間か。

少年老い易く学成り難し、一寸の光陰軽んず可からず 
池塘春草の夢未だ覚めず、階前の梧葉已に秋声

*一寸の光陰どころか惰眠を貪りながら生きてきて、人生に秋声を実感する

以下はアメリカの詩人の詩だが何故か日本人とくに中高年に人気の詩
この詩を知らなければ、共感しなければ未だ若者なのか、もう手遅れ老人なのか

 青  春
サミュエル・ウルマン作

青春とは人生の或る期間を言うのではなく心の様相を言うのだ。
優れた創造力、逞しき意志、炎ゆる情熱、怯懦を却ける勇猛心、安易を振り捨てる冒険心、こう言う様相を青春と言うのだ。

年を重ねただけでは人は老いない。
理想を失う時に初めて老いがくる。歳月は皮膚のしわを増すが情熱を失う時に精神はしぼむ。

苦悶や、狐疑や、不安、恐怖、失望、こう言うものこそ恰も長年月の如く人を老いさせ、精氣ある魂をも芥に帰せしめてしまう。

年は七十であろうと、十六であろうと、その胸中に抱き得るものは何か。
曰く、驚異への愛慕心か、空にきらめく星辰か、その輝きにも似たる事物や思想に対する欽仰か、事に處する剛毅な挑戦心か、小児の如く求めて止まぬ探究心か、人生への歓喜と興味か。

人は信念と共に若く 疑惑と共に老ゆる。
人は自信と共に若く 恐怖と共に老ゆる。
希望ある限り若く 失望と共に朽ちる。

大地より、神より、人より、美と喜悦、勇氣と壮大、そして偉力の霊感を受ける限り人の若さは失われない。

これらの霊感が絶え、悲歎の白雲が人の心の奥までも蔽いつくし、皮肉の厚氷がこれを固くとざすに至れば、この時にこそ人は全くに老いて神の憐みを乞うる他はなくなる。

*信念と共に若く…希望ある限り若く、と斃れるまで前に向かって行きたいものだ。

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