社長の部屋CEO's ROOM

03.随想編

人物を語る T氏

2017.05.14

 これはパソコン内のファイル整理中に2007年6月のトップメッセージを振り返り、改めて伝えたくなったこと。機械設計の嘱託契約で図面チェックなどお流しているT氏について書いたものだ。
 この徳永氏を迎えた頃は、プレシード最大の経営危機が始まろうとしている頃だった。一方で賞与出しながら一方では自分の給与を殆ど手取りが無いような位まで減額した時期が来つつあった。
 その正に真最中となった時期だからこそ、何とか社内のモチベーション維持しようと借金し賞与を捻出したことがあった。そしてTさんにも賞与代わりの慰労金20万円を出したところ、支給式の後に私の部屋にやってきて10万円を差し出して、「俺も経営者だったから無理しているのは分かる。黙って受け取りなっせ、小遣いもいるどもん」と言われた。「いや、要らない大丈夫です」と固辞したが頑として引き取ってくれなかった。涙が出るほど嬉しかった。いや、お金は正直どうでもよかった。その気持ち何よりも私の傷んだ気持ちを癒してくれた。
 これは生涯の中で出会った感動として死ぬまで忘れない出来事の一つだ。この出来事が起きる前に書いた、下記のトップメッセージにも「徳永さんが働くの給与や生活の為ではない。」と綺麗ごとのように書いているが、見事にその後、この予言を現実で見せて戴いた。
 正直、窮していたが10万円の金に困ってまでは居なかったが、この出来事は私を大いに力づけてくれた。こういう出来事と出会える仕事人生は素晴らしい、私にはお金に換えがたいと感動がある。こういう素晴らしい仲間たちの為になら命がけで働けるという思いと、生涯に残る感動には今でも感謝している。戴いた感動を忘れず、私も社会に感動を残したいものだと心より思う。

このトップメッセージは先輩技術者に学ぼう、まだまだ知らない事、未体験のことが沢山ある事を自覚し貪欲に学ぼうという趣旨で当時書いたもの。
私もとうに60代になった。教えておきたいことと、もっと学びたい無知の私の双方の事情を持つ世代を私は生きている。体はその学ぶ力を次第に落としつつあるのを感じながらも未だ学びたいことは多すぎる。
今後も私は人生で伝える物を持った人たちからから学びたいと思っている。先日のイブニングセミナー講師や社内で共に働く存在として受け入れてくつもりだ。

**以下は2007年6月1日版メッセージ
トップメッセージ8
 「熟練に学ぼう」
 今日からまた新しい人を会社に迎える。徳永健太郎という60代の人である。4月までくまもとテクノ産業財団の嘱託として東京に勤務し、熊本県内の中小企業の為に働いていた人である。
 私が知り合ったのは創業の頃、機械技術系ベンチャー企業の大先輩として熊本で活躍の頃である。経営者として技術者としてまだまだ学ぶもの多い人を我が社に迎え入れようと急遽実現した人事である。

 徳永氏が働くのは給与や生活のためではない。事実、かなり安い給与で働いてもらう事になっている。我々が氏に求めたいのは知恵であって労力ではない。長い年月で手に入れた技術ノウハウ、組織運営ノウハウをプレシードに植え付けたい、若い世代に伝えて貰いたいからだ。技術者生活40年の中では成功と共に遙かに多い数の失敗経験があるはずだ。私は失敗経験から得た教訓こそ宝だと思っている。それ受け取るには受け入れる側にも心の受け入れ場所を作ることが必要だ。
 徳永氏を含め我が社には60代の人生の先輩諸氏7名がプレシードで働くことになる。過去何度も伝えてきたように求めるのは技術経験、管理経験、人生経験から来る見識だ。

彼等に汗や体力を求めてはならない。確かにどの60代もすこぶる元気が良い、今の20代が恐らく50代に近づく頃にはこの元気さを失うのではないかとさえ思う。しかし、体力は悲しいかな次第に衰える。諸君に学んで貰いたい事は仕事に懸ける責任、誇り、情熱、判断だ。幾多の困難を乗り越えてきて今ここに存在している力を学んで貰いたい、行動が語るメッセージを読み取って貰いたい。先輩諸氏が40代で学んだことを20代や30代で学び身につけることが出来れば若い諸君の人生はもっと豊かになる。目の前にそれを身につけるチャンスを呉れる人生の先輩が7名もいるのだ。教えを請うて身につけないのはもったいないと私は思う。

*若い頃暫く仕事をすると一人前になったと錯覚することがある。(私にも働き始めて暫くすると高慢な時期が訪れたように思う。)私の場合31歳で会社勤めを止めるとき、もう一度自分が未熟で何も知らない気持ちで生きてみようと思って出発した。色々な人に教えを請い、全くのド素人が曲がりなりにも会社を運営して生きてきた。学ぼうと思う心と姿勢には成長のチャンスが訪れるし、未熟の不安を持たない心にチャンスは訪れないというのが私の人生教訓だ。いつも目の前にチャンスがある。

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