社長の部屋CEO's ROOM

03.随想編

人生は中華料理

2017.09.11

 我社では中国へ出張することが多い。勿論、その期間はあちらこちらで中国料理だ。中国料理は実にバラエティに富んでいる。1,2カ月なら同じ料理を食べずに過ごせるくらいだ。最近、食べながらふと思った。中華料理は人生に似ていると。
 中華料理の材料は様々だが、決して精選された材料が旨いという訳でもない。また
元の材料が食べてすぐには材料が分からないような料理も多い。中華料理やフランス料理は元々パリや北京に代表されるように内陸都市で発達した料理だ。日本料理のように新鮮な野菜や魚介類に恵まれ、元の味と食感を出来るだけ損なわないのこそ高級な日本料理と言われるものとは料理哲学さえ違うと思う。
内陸国家中国は日本に比べると獲れたての魚介類が内陸の北京や南京のような中枢都市では入手できない。材料が新鮮な内にすぐに調理できるような環境ではないのが中華料理やフランス料理の生まれたところだ。

超激辛おなじみ麻婆豆腐

胃に優しいフカヒレスープ?かな

冷蔵庫もなく高速輸送も出来ない時代は、王侯貴族であっても乾物や塩漬けでないと材料が入手できない中で発展してきた。中華料理のスタート材料は乾物や塩漬け、魚は澱んだ河川に住む川魚であるのが多い。その様な材料を前処理に時間を掛け保存し、中華鍋と強い火力の竈だけを使い、様々な調味料と油で全く素材の味も食感も違った物に仕上げるのが中華料理と私は思う。フランス料理もそうだ。内陸都市パリの宮廷フランス料理も生で食べられるような魚は手に入らない。腐らない材料や上手に腐らせた材料を使って元の材料が想像できない位に手間暇かけて仕上げる料理だ。
原材料で大きく差がついてしまう日本料理と比べ、何でも美味しくしてしまう中華料理とフランス料理は、「人生もスタートで結果は決まるわけじゃない」と暗示してくれるようで貧しく幼少期を過ごした私に勇気をくれる。
最近は日本料理が世界中で最高に評価されるのは嬉しいことだが、料理の原点は中華料理に有りと私は思っている。同じ材料で全く出来栄え、出来る物が違う中華料理こそ料理の神髄ではなかろうか。材料で結果が変わるのではなく調理で全く結果が違うのが中華料理だ。草木から虫、鶏の足や鶏冠から動物の内臓、魚の鱗まで動植物由来のものならなんでも料理してしまう中華料理は創意工夫の塊だ。貧乏だから不味い料理を食べるのは仕方ないのではなく、捨てるような材料、腐ったような材料でさえ美味しくできる。腐ったというのは言い過ぎのようだが、熱を通さない中華料理がないのは材料が食中毒を起こしかねないようなモノばかりだからというのは言い過ぎだろうか。

生の時に見たら食べる気にならないかも

皮しか食べない北京ダックは贅沢だ

味付けと火加減で全く結果が違う中華料理は、まるで人生も出所出自では決まらない、その後の努力と生き方という味付けで人を感動させ自らの評価も高めることも出来るのだと教えてくれる。

香港に延々と並ぶ中華料理食材店街

 高級食材であるサメのヒレは恐らく内陸までサメの肉を持っていくのは乾物にしても無理だと判断した古人がサメのヒレを切り取って乾物にして運び、水に戻して味付け煮込めば美味しくコラーゲンたっぷりの食品に仕上げたものだと思う。
 最後に一言添えれば、仕事は正に中華料理だ。仕事と出会ったのちの対処法は無限だ。出会った仕事のテーマを食べられないと思うか、食べられるように料理できると思うか…仕事の真髄もここにある。中華の料理人のように人生を、仕事を自在に味付けし感動を創造したいものだ。中華料理の創意工夫に敬意を表したいと、安い中華料理食べながらよく思うようになった。

2017年9月11日擱筆

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