社長の部屋CEO's ROOM

03.随想編

参禅記 その20

2017.06.05

 冬の寒い時期に博士号論文に生活ペースを崩され、暫く坐禅から遠のいた時期があった。勿論、言い訳に過ぎない易きに就いただけだ。4月になってまた、週一回程度の参禅が復活した。
暫く禅堂に座らないと姿勢も崩れ背骨や腰骨が痛む。時間を気にすると汗が吹き出し、気持ちも乱れる。坐禅仲間に週3回、ほぼ欠かさないで座り続けているT氏がいる。軽やかな老人だが最近は次第に達人に見えてきた。侘び、寂びの次は「軽さ」だと聴いたことがある。守破離で言えば「離」の境地だ。この人は離の世界に生きているのかもしれない。坐禅を終わって茶菓子を戴きながら毎回10分程度のくつろぎ時間に話す程度で坐禅について話したこともほとんどない。いつも殆ど二人、私が居なければT氏一人と住職の朝坐禅が今後も続くのか。
 足を痛めて以来、この1年は結跏を止めて半跏の姿勢で座っている。これも易きに就いたのだが、姿勢を取るのは難しくなったが痛みからは解放された。
 何のために参禅するのか、ずっと自分にも課題だが壁に向かうことに私の見えないものが見えるのではないかという期待かもしれない、何かから救われたいという欲望かもしれない。最近ふと、この坐禅の時間だけが私が社長でもない親でもない夫でもない友人でもない、ただの私である時間であるような気がすることがある。
以前から、「死ぬ前には自分に戻って死にたい」と言ってきた。普段は社会や家族の中での存在で生きているが、少なくとも禅寺の2時間は唯の老いが始まった一人の人間であるのが楽しい。相変わらず悟りや無の境地とは程遠いが、違う世界にいる時間ではあるような気になってきた。無であろうとすれば無ならず、ただ座るだけ考えてもよし忘我もよし。
坐禅をしない朝、最近は週2,3回は1時間のウォーキングを楽しんでいる。一時間ひたすら早足で歩くこの時間に体は動だが、気持ちは静、或は無我の境地にもなる。交通も気にしない暗い早朝に、考え事と忘我を繰り返す1時間は爽快だ。帰宅しての朝風呂までが今の私のささやかな人間らしい楽しみだ。6時過ぎればまた今日も雑念の支配の世界が始まる。
2017年6月4日

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