社内や作業場におけるクリーン化への需要が高まっている現在、比較的導入しやすい「クリーンブース」への注目も高まっています。
しかし、一言でクリーンブースと言っても用途やコストに合わせて数多くの製品が販売されているため、自社に最適な製品が判断しづらいかもしれません。
一般的にクリーンブースは「簡易クリーンブース」と「オーダーメイド」の2タイプに分かれますが、いったいどのような点が異なるのでしょうか?
そこで本記事では、簡易クリーンブースとオーダーメイドの特徴と機能を比較しました。自社に最適なクリーンブースを検討するための判断材料としてお役立てください。
目次
簡易クリーンブースとオーダーメイドの特徴を比較
簡易クリーンブースとオーダーメイドクリーンブースにおけるそれぞれの特徴をご紹介します。種類ごとの特徴を把握したうえで、自社に最適なクリーンブースを検討してみてください。
簡易クリーンブースの特徴
簡易クリーンブースの最大の特徴はサイズや形状が規格化されている点です。
つまり既製品としてあらかじめ形が決まっているため、製品の在庫さえあれば短期間で導入できるのがメリットとなります。
またオーダーメイドと比較して製品の価格が安価な点がメリットです。たとえば、1人作業用の組み立て式簡易クリーンブースなら15万円程度で購入できる製品も存在します。
業者不要で設置や移動を手軽にできる製品が多いため、総合的に導入コストを抑えられる点も大きなメリットといえるでしょう。
一方、既製品であるがゆえに設置場所の自由度は低いというデメリットがあります。
また、追加で製品の設計以上にクリーン度を上げられないのもネックとなるポイントです。
スペースを十分に確保でき、用途がはっきりしている場合は、導入を検討してみてもよいかもしれません。
オーダーメイドクリーンブースの特徴

オーダーメイドクリーンブースの最大の特徴は、用途や環境に応じてサイズや機能を設計できる点です。つまりユーザーの細かいニーズに合わせて最適なクリーン空間を実現できるのがオーダーメイドのメリットとなります。
たとえば、設置場所にフィットする形状はもちろん、用途に応じた最適な材質や出入り口の広さなど自社専用のクリーンブースを導入可能です。
ただし、設置業者との打ち合わせが必要だったり、設計・加工費用がかかったりと導入コストは高額になってしまいます。オーダーメイドクリーンブースの導入費用は施工を依頼する業者やサイズ、性能で大きく異なりますが、100万円以上かかることも珍しくありません。
クリーンブースを導入することで発生する利益とコストをしっかり比較して、最適な設備を導入しましょう。
簡易クリーンブースとオーダーメイドの機能を比較
クリーンブースの機能の差は「クラス(清浄度)」で比較するのが一般的です。
クラスとはクリーンブース内における空気中の微粒子の数を表し、数字が少ないほど清潔な空間であることを示しています。
企業で求められるクリーンブースのクラスは「100〜100,000」程度が一般的です。ただし、必要なクラスは業種や作業内容によって異なるため、自社での運用方法に合わせて最適な製品を選択しましょう。
簡易クリーンブースの機能
製品によって異なりますが、一般的に簡易クリーンブースのクラスは10,000程度となります。設置しやすさがメリットである既製品はその分、構造も簡単なのでクラスにも限界があります。
なお、クラス10,000のクリーンブースの用途としては次のような例が挙げられます。
- 印刷工場における製品の品質管理
- 薬品・食品工場における虫侵入対策
- 自動車部品工場における鉄粉やこげ、くずなどの混入防止
- 医療現場における空気感染の防止や医師の保護
- 花粉症対策
上記の通り、クラス10,000のクリーンブースでも多くの業界において、さまざま用途で活用できます。そこまで高い機能を必要としない分野の場合、簡易クリーンブースを導入するのもよい選択です。
オーダーメイドクリーンブースの機能
オーダーメイドクリーンブースのクラスは1〜100,000と幅広く設定可能です。中でも需要が高いのはクラス100〜10,000となります。
なお、クラス100〜10,000のクリーンブースの用途としては次のような例が挙げられます。
- 半導体工場におけるハイクラスの塵埃管理
- 精密工場における微細防塵の除去
- 細胞培養研究における異物混入防止
- 薬品・食品工場における異物・虫混入対策
上記のように、オーダーメイドクリーンブースはよりクリーンな空間が求められる業界で活用されます。シビアな品質管理が求められる企業は、オーダーメイドで十分な性能を持つクリーンブースを設計しましょう。
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本製品は定格サイズにモジュール化されたパネルを組み合わせることで、納期と導入コストを削減、短期間で本格的なクリーンブースを設置できます。
パネルの組み合わせにより、大型ブースから1人用の簡易ブースまでさまざまな用途に対応可能。簡易クリーンブースとオーダーメイドのメリットを掛け合わせたハイブリッドクリーンブースとして幅広い業界に活用できます。
本記事で紹介した製品ごとのメリット・デメリットを十分把握し、自社の事業に必要な機能や特徴をもつクリーンブースの導入を検討しましょう。