溶接ヒュームとは?6つの対策と効果の高い換気設備をご紹介

金属アーク溶接等作業に従事する労働者に深刻な健康被害をもたらすおそれがあるのが「溶接ヒューム」です。

令和3年4月1日から施行・適用された労働安全衛生法施行令、特定化学物質障害予防規則(特化則)の改正により、関連する事業者は、施設内での換気措置など、多岐にわたる対策を実施する必要があります。

本記事では、溶接ヒュームの概要とその健康被害、法改正によって適用された6つの対策について解説します。また、費用対効果の高い換気・送風設備についても紹介しますので、参考にしてください。

溶接ヒュームとは、金属アーク溶接などの作業において発生する金属粒子のことです。

アーク溶接の作業のなかで、熱によって溶けた金属は蒸気となって空気中に放出されます。発生した蒸気は空気中で冷却され、金属酸化物の細かい粒子になります。

この粒子が「溶接ヒューム」です。

溶接ヒュームは労働者に健康障害を及ぼす恐れのある有害物質であり、作業を取り仕切る事業者および管理者には、その被害を最小化するための措置が求められています。

溶接ヒュームが人体に及ぼす影響・症状

人体に悪影響を及ぼすといわれている溶接ヒュームを吸引し続けると、以下のような症状を発症する危険性があります。

  • じん肺
  • 肺がん
  • 感覚障害
  • 不眠等の神経機能障害
  • 金属熱等の急性中毒 など

一度吸引した溶接ヒュームは、体外に排出されず、肺の奥深くにある肺胞まで到達し、体内に蓄積されていきます。その結果、金属熱等の急性中毒やじん肺、肺がんなど呼吸器系の病気が発症する危険性が高まるのです。

また、近年では溶接ヒュームが不眠等の神経機能障害を引き起こす恐れがあると明らかになり、特定化学物質(第2類物質)に指定され、当該作業の従事者に求められる措置も改訂されました。

したがって、金属アーク溶接などの作業を行う事業者は、厚生労働省が発表した新たな規則を厳守し、労働者の健康被害を防ぐための措置に取り組まなければなりません。

健康被害が発生しやすいシーン

健康被害が発生しやすいとされる「金属アーク溶接等作業」には、以下のような作業が該当します。

  • 金属をアーク溶接する作業
  • アークを用いて金属を溶断、またはガウジングする作業
  • その他の溶接ヒュームを製造し、または取り扱う作業

屋内・屋外問わず、アークを熱源とした溶接、溶断、ガウジングといった作業に従事する労働者には、健康被害が発生する危険性があります。

ただし、密閉された屋内の方が健康被害の発生リスクは高いため、作業場の換気や空気の撹拌、床等の清掃、定期的な溶接ヒューム濃度の測定など、幅広い措置が求められます。

なお、ガス溶接やレーザー溶接など、アーク以外を熱源とする溶接等作業は、金属アーク溶接等作業には該当しません。

法改正によって義務化された6つの溶接ヒューム対策

令和3年4月1日、厚生労働省は、労働者に神経障害等の健康被害を及ぼすおそれがあると明らかになった「溶接ヒューム」への対策として、労働安全衛生法施行令、特定化学物質障害予防規則(特化則)等の改正に踏み切りました。

その結果、金属アーク溶接等作業を行う事業者に対して、6つの健康障害防止措置が義務付けられることになりました。

以下では、厚生労働省の資料を基に各項目の詳細を解説します。

1.換気等の措置

屋内の作業場において、金属アーク溶接などの作業を行う際には、全体換気装置による換気の実施、または同等以上の措置が必要です。

全体換気装置とは、動力により施設内全体の空気を換気・撹拌する装置であり、有圧換気扇や吸引ダクト以外にも、HVLS大型シーリングファンなどの大型ファンも含まれます。

同等以上の措置としては、以下のような装置の導入が該当します。

  • 局所排気装置
  • プッシュプル型換気装置

なお、全体換気装置は、特定化学物質作業主任者が1ヶ月を超えない周期で、その損傷や異常の有無などについて点検する必要があります。

局所排気装置等の場合は、1年ごとに1回のスパンで、定期的な自主検査が必要です。(特化則第30条)

2.呼吸用保護具(防塵マスク)の使用およびフィットテストの実施

事業者は金属アーク溶接等作業を行う労働者に、有効な呼吸用保護具の使用を促す必要があります。

有効な呼吸用保護具を選定するには、溶接ヒューム濃度の測定が必要です。

金属アーク溶接等を行う屋内作業場において、労働者の溶接ヒュームのばく露状況を正しく把握するために、以下のタイミングで「個人ばく露測定」を実施しなければなりません。

  • 溶接方法の変更時
  • 溶接材料や母材、溶接作業場所の変更に伴い、溶接ヒューム濃度が大きく変化する場合

個人ばく露測定は、金属アーク溶接等作業に従事する労働者の身体に試料採取機器を装着して行います。

その結果を基に、施設内における換気風量の増加や作業方法の見直しなど、溶接ヒューム濃度が一定の基準(マンガンとして0.05㎎/㎥)未満になるよう、必要な措置を講じなければなりません。

また、溶接ヒューム濃度に応じて、効果的な呼吸用保護具を使用するだけでなく、1年以内ごとに1回のスパンで「フィットテスト(呼吸用保護具が適切に装着されていることの確認)」の実施も義務付けられています。

なお、屋外作業場であっても、有効な呼吸用保護具の着用は必要です。

3.掃除等の実施

屋内の作業場で金属アーク溶接等の作業を行う際は、施設内の床等を1日1回以上掃除する必要があります。

なお、清掃の際には、水洗などで粉じんが飛散しない方法を採用する必要があります。

4.特定化学物質作業主任者の選任

特定化学物質作業主任者を選任し、以下の業務に従事させる必要があります。

  • 作業に従事する労働者が対象物質に汚染、吸入されないように、作業の方法を決定し、労働者に指示する
  • 全体換気装置などの健康被害を防止する設備を1ヶ月以内の期間ごとに点検する
  • 保護具の使用状況を確認・管理する

なお、特定化学物質作業主任者は「特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者技能講習」を修了した者のなかから選定しなければなりません。

5.特定化学物質健康診断の実施

屋内・屋外問わず、以下の規定に基づく、特定化学物質健康診断の実施が義務付けられています。

  • 金属アーク溶接等作業に常時従事する労働者に対し、雇い入れ又は配置換えの際およびその後6ヶ月以内ごとに1回、定期に、医師による健康診断を受診する
  • 上記健康診断の結果、他覚症状が認められるかつ、医者が必要と判断した場合は、規定の事項について健康診断を実施する(2次健診)
  • 健康診断の結果を労働者に通知する
  • 健康診断の結果(個人票)は、5年間保存する
  • 特定化学物質健康診断結果報告書(特化則様式第3号)を労働基準監督署長に提出する
  • 健康診断の結果異常と診断された場合は、医師の意見を参考にし、必要に応じて労働者の健康を保持するための措置を講じる

なお、金属アーク溶接等作業に常時従事する労働者に対しては、じん肺法に基づく健康診断もあわせて実施する必要があります。

6.その他の規制

金属アーク溶接等作業に関するその他の規制として、以下のような措置が求められます。

溶接ヒューム対策は「HVLS大型シーリングファン」におまかせ

多彩にわたる溶接ヒューム対策のなかでも、屋内作業場における換気等の措置にお困りの事業者様は多いのではないでしょうか。

施設内全体の空気を換気し、撹拌するためには、大がかりな設備の導入が必要なケースもあります。そのため、換気性能はもちろん、コストや導入までにかかる時間なども考慮し、自社にとって最適な設備を選択しなければなりません。

HVLS大型シーリングファンは、そのような課題の解決策になり得る送風設備です。

HVLSとは「High Volume・Low Speed」の略称であり、HVLS大型シーリングファンは、大型の羽根をゆっくり回転させることで、施設内全体に大風量を発生させる業務用の大型天井扇を意味します。

局所的な送風しかできない業務用扇風機や送風機、スポットクーラなどと比較して、空間全体の空気を効率よく撹拌できるため、溶接ヒュームなど有毒物質の滞留を防ぐ効果に期待できます。

また、有圧換気扇や吸引ダクトといった大がかりな工事が必要な設備と比較して、導入が容易で電気代も低コストな傾向があります。

もちろん、関連法に基づき、ほかの措置もあわせて実施する必要がありますが、HVLS大型シーリングファンは、溶接ヒュームに関する換気等の対策として高い費用対効果を発揮する設備といえるでしょう。

費用対効果の高いHVLS大型シーリングファンをお探しの方へ

溶接ヒューム対策としておすすめしたい費用対効果の高いHVLS大型シーリングファンは、創業30年の日本装置メーカー「プレシード」が提供する「SD-FAN」です。

施設内全体の空気を効率よく攪拌できる14,900m³/minもの大風量でありながら、他社メーカーの約半分のランニングコストで運用可能な省エネ性能を両立しています。

1台あたり1日コーヒー1杯分=約120円の電気代で、広範囲の作業場全域に及ぶ換気等の措置を実現可能です。

また、心臓部である制御部品を国内設計・国内調達・国内組立し、それ以外の部品は台湾製を採用することで、大手メーカーと比較して、トータル30〜50%の導入費用を削減できます。

国内倉庫で制御部品を管理しているため、最短2週間での導入や、万が一のトラブル・故障に対する迅速なアフター修理対応など、スピーディーなサービスを提供しております。

さらに、素材として高強度のアルミニウム合金を使用しており、他社製品と比較して約60%の重量軽減に成功。幅広い作業場に設置できる汎用性を備えているだけでなく、施工人員も削減できるため設置費用も大幅に抑えられます。

溶接ヒューム対策として、高性能・低コスト・安全性を兼ね備えたハイスペックな換気・送風設備をお求めの方は、「SD-FAN」の導入をご検討ください。

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