組織運営の基本は命令と報告、提案と許可にある。個人完結型の伝統工芸やソフト開発にはそのウェイトは小さいだろうが、それでもゼロではない。まして我々が事業としているプロジェクト型事業は多くの人間が一つの目的達成の為に動く。それを細分すると無数の要素の集まりである。99の要素がうまく達成されてもたった一つの要素でプロジェクトが完成に及ばないことも多い。多くの要素が目的の為に一つの意思で動かされねばならない。頭数と同じ独立した意思があったら到底目的は到達されない。旧約聖書の「バベルの塔」がそのいい例だろう。
組織は最上部から責任と権限を下部に委譲されるものである。委譲された者には目的を約束した内容で完成させる責任がある。だから下部に命令を下す権限がある。命令を受けるその下部は従う義務を負う。命令を受けたものには指示された条件の中で完了する責任がある。予算、納期、品質、使っていい人員など指示された内容で完了する見通しが立たないときは速やかに報告する義務がある。勝手に言い訳があれば逸脱していいものでは絶対にない。
このような当たり前のことが最近、実行できていない事例に遭遇する。「指示工数や予算が無理だから自分で勝手に予算計画を作り実行した。」「間に合いそうにないから独断で顧客に連絡して許可をもらった。」「予算をはみ出しているのは分かっていたが作る必要があるのでそのまま続けた。」など等枚挙にいとまない。当事者は良かれと思って、または仕方ないから、という思いが強いだろうが、すべてに言えることは業務命令違反だということだ。命令、指示と違うことが発生するのが分かったら直ちに報告して修正案を出し許可をもらうのが当たり前である。一つの命令の未達成や変更は他の指示・命令や組織経営の変更を余儀なくされる。事前報告がないが良かれと思っての勝手な行動は営業展開や経営を危うくする。
もう一度確認しよう。
1.命令・指示を受けたら間違いがないように反復し、その内容を指示または許可された条件の中で目的を成し遂げる。不具合が発生したら直ちに指示した上司へ報告する。
2.命令指揮系統の上部へ報告し、受けた指示内容を実行するために与えられた権限の中で指示・命令を下す。それ以外への情報や報告の伝達は上司の許可を得た範囲で行うこと。特に社外への連絡は上司の許可の下に慎重に行うこと。営業・経営との整合性が必要だ。言うこととやっていることが違う会社も人も傍から見るといい信用に足らないのは事実だ。
3.指揮命令系以外への連絡を個人判断で行うのは「根回し」と呼ばれ、本来実行力はないものであるが、時として承認されていない根回しや指示が実務を動かしたり、複数の異なった指示で混乱をきたすことがある。根回しは命令・指示とは異なることに注意しよう。
**以上、不明確な点は部門長にもう一度確認してもらいたい。
2004年8月4日
株式会社プレシード
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当社は1989年の創立以来、独立した自動機省力化機器の設計製作会社として、オートメーションの開発・設計・製作やOEM(相手先商標製品製造)を手がける技術者集団です。機械の設計、部品の製作、組立、配線、プログラムまで、すべてを一貫して行っている会社です。モノ作りに興味があって、機械組立やソフト設計がやりたい方お待ちしております!
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