社長の部屋CEO's ROOM

03.随想編

「遣らなくてもいいこと」

2014.09.01

 今日(2014年9月1日)の熊日新聞朝刊に私が書いた8月の「紙面月評」が掲載された。4月、6月に続き3回目だ。一カ月の新聞記事について翌月の1日に紙面に、私のような社外の者が講評を行うものだ。
気軽に引き受けたがなかなか大変、やっとこれで解放されてホッとするというが一番の実感だ。

 

 プレシードの仕事に売り上げ貢献する訳でもなく、ましてやもともと書く義務があるものでもない。幾ばくかの原稿料は呉れるが、一か月間新聞記事に注意を払い、その中から面白かったり違和感じたり感動したりした記事を選び出し感想を述べる。けっこうな時間と気持ちの投入が必要だった。書くことは得意でもないしカネで見合うものではない、それでも引き受けた。機会あったら読んでみてもらいたいところだ。

 

 仕事をしていると、私の業務としない仕事以外のことをよく頼まれることがある。県や団体の様々な会議のメンバー、評価委員など数えるのに思い出せないくらいある。単発の講演会や実行委員なども多い。おまけにクラス会の幹事などまで引き受けて混乱しているくらいだ。

 何故しなくてもいいことを引き受けるのか。自分でも時々思うし、もともと性格的にそれほど活動的でも社交的でもない。もうそろそろ色々なことを断ることを覚える時期かとも思う。

創業間もないころ、ある人に仕事を紹介されて現地に行きその場で断って帰ってきたことがあった。その時、その紹介者に「人から依頼されたことは期待をされてのことだからむやみに断るべきではない。」と言われたのが脳裏に焼き付いて、それ以来頼まれごとは危険やいかがわしいものでなければ時間の許す限り断らずに生きてきた。
  幾組もの仲人や町内子供会まで、お蔭で随分と色々なことを引き受けて、ただでさえ忙しい中に自ら余裕をなくして生きてきたかもしれない。

 しかし、もしやらねばならないことや自ら求めた物だけ選んで遣ってきたら果たしてどんな人生だったろうかと思う。時間に余裕がある人生だったかもしれないが、きっと周りも私の存在を思い出すことも少なかったろうし、私の成長は極めて発育不全だったろうとも思う。

 もし私がこの社会人生活35年の中で、義務として求められたことだけしかやらなかったら会社も創業しなかったし、社員諸君との出会いもなかったし名刺交換枚数も今の1/10以下だったろう。勿論、新聞社の原稿も引き受けなかったし、このトップメッセージも書いていない。

 

  そもそもこのようなトップメッセージを毎週書き送る経営者を知らないし、見返りがあるわけでもない。書かなくても何もクレームはないし、書けば恐らく非難もされているだろう。
しかし、書けばどこかで一人の社員に勇気や声援や人生の発奮材料を送ることにならないかと期待できるし、書くことによって自分の考えを明確にしたりもできる。

 第一に世の中で遣らないでいいことで世の中を支えている人たちの気概や自己犠牲的努力にも敏感に感じるようになった。私より遥かに大きな思いと気概を持って生きる人たちにも気づけるようなったと思う。

 毎日のように遣らなくてもいいことに多くの時間を費やされる。 今日も午後から熊本県のある委員会に出席する。今日のことだけ考えれば時間を奪われ引き受けなければと思わなくもないが、長い目で見れば自分や会社経営の成長の一つを得る機会になることもある。

 放っておくと極めて受け身な生き方を送る性格だからこそ、出逢った機会を先ずは避けないで引き受けることから始めている。
 判断の原点は「やりたいか、遣りたくないか」ではなく「遣ったがいいか、遣らないがいいか」に出来るだけ置くようにしている。
 「キツイくたびれるから遣らない。」は私の青春時代の人生だった。自分の欲望に素直に従えば人生をシュリンクしていくし、実際狭い人生を送ろうとしていた。ある時から考え直してみた、「遣ったがいいか、遣らないがいいかで判断をしてみよう。」と。理想や目標にしたがって生きるのも味わいあるものだ。

 

 今月もまた遣らないでもいいことが山のようにスケジューリングされている。そもそも社長業とは遣らねばならないことは知れている。遣ったがいいことをどれだけ積み重ねることができるかが社長業ともいえる。

 

 書き終えて9月の朝5時半はまだ薄暗く虫が鳴いている。虫の音を聞き新聞を開きながら朝からのノンアルコールビール。極めて非日常的で今週もはじまる(笑)

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