社長の部屋CEO's ROOM

03.随想編

新人の頃 その7~出張エピソード~

2015.08.11

 会社に戻ると新米社員として現場で作業服で汗にまみれる日々だが、出張すればネクタイ占めてカッコよく一人前で相手と話が出来る。恥もかくが面白かった。確か秋ころに東京の晴海の展示場に出展しその説明員としてつくことになった。一週間近い出張だったが、洗濯機もないので下着までランドリーサービスに依頼した。後にも先にもランドリーサービスにパンツと肌着と靴下を出したのはこれが最初で最後、何事も知らぬとは恥と金が避けられないものだ。
 出張のエピソードは多い。川崎に夕方ついて修理を終えて駅前に戻りホテルを探した。何軒回っても空いていないついに繁華街の素泊まり8000円の部屋に落ち着いた。当時の会社規定では一泊4000まで、夜遅く寝るだけで何の責任もないのに4000円も無駄なカネ使うのが堪らなく悔しかった。当時の平田機工の出張手当が300円だったのは鮮明に覚えている。その300円が不足の時の補てんだし、公衆電話で長距離掛けるときの補てんだと総務に言われた。足るわけがない、短期で動く私の出張はいつも赤字だった。据え付けなど長期出張者が多い会社だったので3000円で2食付という郊外の工事宿が多かったようだが、私は同じ宿は一泊やせいぜい3泊の出張が多く、ビジネスホテルが多かった。営業は営業手当で補てんがあったろうが私は例外的被害者だったのかもしれない。
 お化け屋敷のような宿に泊まったことがある。夜10時頃ほぼ古びた民家という佇まいの旅館にお爺さんとおばあさんが食事中のところにガラス戸開けた。「一晩泊れますか?」、「はい、大丈夫ですよ」。ミシミシと古い階段を案内され二階に上る。布団は押し入れから出してくれ、寝るときに自分で敷いてくれとのこと。「その前に食事と風呂をお願いします。ビールも一本ください。」といって裸電球の小さな浴室に降りた。
 風呂の横の台所で「爺さん、あんたのビール一本残ってたでしょ?」といいうのが聴こえた。風呂から出て台所に行くと食事とビールが置いてある。近くに居るおじいさんに申し訳ない気持ちでビールと食事をとった。狭い階段をミシミシ軋ませて登り床に就いた。ここはほんとに旅館なのだろろうか。なんでこんなところに泊まることになるんだ、と仕事を恨んだ。翌日、若かった私は苦情も言えずお礼を言って宿を後にしたが料金は一丁前の料金だった。

 今回で「新人の頃」を終わるが、思いだせは新人の頃は無知であったが新鮮で張り切っている人間というのは失敗以上に成果も出せる。「初心忘るべからず」という程に初心は忘れがちだ。常に新人の挑戦者魂を一生忘れずに持ち続けたいものだ。新人とは二度と帰ってこない素晴らしい時代だと思う。
今思えば恥ずかしいことも多かった。いろいろ気づいたこともあればずっと後に気づいたこともある。今でも覚えてる上司に言われたこと。

・「松本君、もう少し髪はさっぱり刈り上げたらどうだ。」…学生上がりの私には十分サッパリしてるつもりだったが、仕方ない思いで散髪に行った。

・入社2,3年で仕事に慣れてきたころ賞与の自己査定に「平均支給の200%以上」と書いた。勿論、其れより遥かに低く、上司は支給後に申し訳として「君の賞与は充分周りより多いんだ。」といった。

・日頃ネクタイしていなかった私に、「他の者はともかく君だけでも毎日ネクタイをつけるべきだ。」と。

 今思えばどれも世間知らずで気を遣わせて申し訳ない思いだ。色々と言いにくいことを言わせてしまった。言う側は迷いに迷った挙句いうのが部下を持つようになって良くわかる。もう故人となってしまった上司にお詫びと感謝をしたい。

株式会社プレシード
採用・求人情報

当社は1989年の創立以来、独立した自動機省力化機器の設計製作会社として、オートメーションの開発・設計・製作やOEM(相手先商標製品製造)を手がける技術者集団です。機械の設計、部品の製作、組立、配線、プログラムまで、すべてを一貫して行っている会社です。モノ作りに興味があって、機械組立やソフト設計がやりたい方お待ちしております!

機械装置開発・設計・製作のプレシード

モノづくりを通して感動を

プレシードは製造・生産の課題を技術と知恵で解決するプロフェッショナル集団です。

「多品種生産が可能な製造装置があれば、生産量を増やせるが・・」
「自動化することで生産性と品質の向上を実現したいが・・・」
「自動化することで、従業員の負担を軽くしたい・・・」 など

プレシードは、お客様が抱える課題を解決し続けてきました。

これからも培った技術と知恵でお客様の課題を解決し、ともに成長し続けてまいります。

SNSでも積極的に情報発信しています

お問い合わせContact

課題解決のご相談・お問い合わせお困りごとはプレシードにご相談下さい。
相談はお電話・ホームページで承っています。

TEL:
096-235-7727
FAX:
096-235-7725

Page top