社長の部屋CEO's ROOM

03.随想編

器量

2021.07.20

 もともと器量とは読んで字のごとく器(容器)に入る量の事だろうが、人を表現するのに使うことが多い。通常は容貌がいいのを器量がいいということもあるが、此処では人間の器を語りたい。

 

 社長という職業は社外で多くの人と接することが多い立場であり、その事には感謝している。様々な器量の方々と出会い話を聴いたり議論したりもする。

 器量が大きい人は人の話を受けとめ消化し理解するのが早い。反論よりも先ずは素直に真剣に聴いてくれる。質問しながら更に理解を深めているように見えるが、時としてその質問が話す側の理解を更に深くしたり、気づいていなかったことに気づかせてくれる。

 器量が小さい人物は持論の展開は早いが、質問に身構え自己への否定や非難として受け取る人も多い。せっかくの自論を深める機会なのにそのチャンスを失い、人からの評価も小さい人物となってしまう。振り返れば自分にもそのような挙動は多いように感じ、自分の器量の小ささを後に感じ反省することも多い。

 器量の大きい人物の代表格が西郷隆盛かもしれない。私利私欲を一切排し、金も名誉も名も要らぬという人間の代表格と言われる。坂本龍馬は西郷を「大きく叩けば大きく響き、小さく叩けば小さく響くような人物」とその器量を評した。あまりにその器が大きいので、凡人如きが接してもその器が量れないような偉人だったのだろう。だから敵対する長州とも手を組めたし、勝海舟を相手に江戸の無血開城も成し遂げた。勝海舟も自分が信じられないような人間相手に城を明け渡すはずもないので、その西郷の器を量れた勝海舟も器量の大きな人物だったのだろう。

 西郷の残した有名な言葉に「子孫の為に美田を買わず。」という言葉がある。実際、西郷は逆賊として戦死し何も残さなかったが、その人物を知る維新の偉人達が逆賊を明治維新の最高貢献者として顕彰した。これも器の大きな人たちだったのが想像できる。

 大久保利通は薩摩で共に青年期を過ごした親友だったのが、西郷と敵対してしまうことになったが、その死を悼んで大いに泣き、そして顕彰した。その大久保も暗殺され非業の死を遂げることになるが、その死後には借金しか残らなかったという。まさに二人は美田を買わずという共通の人生哲学を持っていた。その大久保の死後も残った友人たちが資金を集め借金返済を行ったという。

 

 器量の大きな人物には器量の大きな人物が分かる、というのが古今の定説のようだ。そうであれば我々も自分の器を大きくするような生き方をしたいものだと思う。幸か不幸かビジネスは正に自分の器が見えることが多い。自分の器量の小ささに赤面することも多いが、それでも浅学非才の我が身ながら次第に器を大きくしてくれるのがビジネスのようにも感じる。たとえ子孫の為に美田は残せなくても、自分を大きく育てながらこの一生を生きることが出来ればそればそれで素晴らしい一生ではなかろうか。これが負け犬の遠吠えに聴こえないように最期はありたいものだ。

 

2019.7.21記す

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