社長の部屋CEO's ROOM

03.随想編

～自然には法則のない結果は一つも存在しない。法則を理解せよ～

 

　没後500年となったビンチ村(出身)のレオナルドの言葉らしい。私は仕事の中で「物理と化学の法則に反したことは起こらない。」と常々言ってきた。それ以外を見たというのなら多分幻覚なのだろう。私も疲労や病気の状況で奇妙なものを見た経験はあるが、それは脳の生理現象である幻覚だと思っている。何故なら再現性も継続性もないからである。

　ダ・ビンチ(前述「ビンチ村の」というので少々おかしいが慣例に従いそう呼ぶ)は、なんと500年前の未だニュートンの運動エネルギーの法則もオームやファラデーの電気の法則も、化学反応の法則も知られていない時代に、“自然には法則のない結果は一つも存在しない。法則を理解せよ”と言った。正に脱帽である。私は500年も遅れて物理も化学も学んだ後に共感していることになる。

 

　改めてダ・ビンチの凄さに敬服と畏敬の念を抱く。この言葉の信念は正に私が共感するところだ。あらゆるものは自然の法則の結果であり、その法則の解析さえすれば理路整然とそれに従って起きているのが理解できるはず。だから科学は楽しいのだ。

　赤い太陽が東から上がり、日中は白い眩しい光となって輝き、赤い夕陽となって沈む。雲が出来たり雨が降ったり雲が消滅するのも単純な法則の複合に過ぎない。だからスーパーコンピューターさえあれば天気予報が可能となる。僅か数十年前、虫や動物の挙動、雲の形に予測を求めた時代もあったのだ。

 

　子供の頃からダ・ビンチとエジソン、平賀源内に憧れた。自然や生活の中の不思議さを解析し法則の発見に挑戦したり、法則を利用して新しい道具の開発に挑戦したり先人たちは科学を楽しみ悩み学んで遊んだ。法律や社会は時として不公平なこともあり得るが、自然の法則は公平である。金持ちも貧者もキリスト教徒もイスラム教徒も仏教徒も同じ法則に従わねばならないが、活用の技次第で宗教以上に社会を変えたりすることもできる。だから私は科学的な解析と応用が大好きだ。

 

　お祈りをして、動かない機械が動くこともなければ、原因がなくて故障することもない。全てビンチ村出身の500年前の男が言うように“自然には法則のない結果は一つも存在しない”のである。だから“法則を理解せよ”なのだ。500年前の科学の先輩の言うことがよく分かる。機械が思ったように動かないとしたら「法則を理解していない。法則を無視している。」と私も言いたい。

 

　法則は発明されることはないが、今からでも更に発見されるものである。20世紀は発見されていない法則の発見の歴史だった。法則の存在の仮説を現実で証明するような時代となったが、それでも心霊現象や手品ではない。遥か地球が生れる前から存在する自然界の法則の発見と応用がコンピューターを産み出し、バイオサイエンスで生命さえ変える。

 

　このことに感動する科学者とエンジニアが時代を今後も　幸福の方向へ導いてくれるのを祈りたい。（祈る私の大脳さえ科学と幻覚のシロモノである(笑)）

 

2019.12.30記す