社長の部屋CEO's ROOM

03.随想編

「世界一有名なコーヒーポット」と「インスタ映え」

2021.12.13

 “世界一有名なコーヒーポット”を知っているだろうか…?

 インターネットの普及期に英国のケンブリッジ大学のある研究室に置かれたコーヒーポットがあった。ライブカメラがそのコーヒーポットだけを写していたサイトがあり、世界中で人気があった。当時はインターネット接続も煩雑でそれなりの知識を要した。このライブ映像を見ることが出来たことがインターネットという新しい世界へ入ったことの誇りでもあった。

 

 そのコーヒーポットがネットに上がったのは1993年の事だったらしい。私も未だインターネットと出会っていなかった。その後、1995年、阪神神戸大震災の時に神戸の火災を発信していた日本のニフティなどのプロバイダーからの映像をロシアのインターネットで受信した映像をテレビが使っていたのを憶えている。まだ、インターネットは日本ではまだまだ常時接続の時代ではなく、パソコン通信で必要な時に電話回線モデムで接続した時代だった。

 私もその阪神神戸大震災映像を見てインターネットの重要性を痛感し時代が変わるのを実感した。早速、インターネットの講習会に参加し煩雑な壁を越えて、パソコンを電話回線に接続したのを憶えている。

 

 その数カ月後には地元経営者グループでプロバイダー事業の会社を立ち上げた。世の中の大きな変わり目に立ち会っているのを実感したが、本業とする勇気はなかった。

 「本業として事業に関われば凄いチャンスかもしれない。」とその頃も言いながらも、余りの大変革に共同運営でしか手を出さなかった。もし本業としていたらプレシードは消滅か或は楽天のライバルとなっていたのかもしれない(笑)

 

 あれから四半世紀以上の歳月が流れた。いま携帯電話で”インスタ映え“などが流行し、出かけた先で写真や動画を取って、ネットの仕組みも歴史も全く知らない老若男女が投稿する。ユーチューブも勿論構想さえなかった。

 

 冷戦時代の核攻撃での通信網破壊への対策として学者たちの研究と実験から産まれたというインターネットのWebサイトが今は生活になくてはならないもの、いや生活の中心にさえなっている。

 Webとパケット通信という発想が世界を全く変えてしまった。システムの発案者たちは、まさかこのような時代が待っているとは思っていなかっただろう。www(WorldWideWeb)が発明されて本格的に試行錯誤で動き出したのが30年前の1989年、我が社の創業の年らしい。今から30年後には何がどうなっているのだろうか…、これに相当する次の技術革新は何だろうか…、私には想像もつかない。

 

2019.8.2記す

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