社長の部屋CEO's ROOM

03.随想編

空き家と唐様で書く三代目

2021.08.10

 江戸時代の川柳らしい。中学の歴史で出逢ったのを憶えているが、最近この意味を日本で実感することがおおい。苦労知らずの3代目が家や会社を破たんさせる、という意味だが国家と国民の事として実感することが多い。

 

 コロナ以前、ミャンマーを訪問した。そこで出会った国民や学生は生活や国を豊かにすることに夢を見て懸命に努力している。それは20年以上前に中国でも見かけた光景だ。貧しい国を豊かにする為には多くの献身的努力を惜しまない、というのは多くの国の興隆期に見られる。

 日本では明治維新、そして第二次大戦後の国家再建設から急発展を遂げる時に国民が一致団結して力を出して成功を成し遂げたと聴く。しかし、成功を収めたのち、その努力の国民性はそのまま継承され成長カーブを維持されるかというと、多くの国が安定期そして衰退期を迎える。今の日本は未だ高度成長期の神話が語られ、ジャパンアズナンバーワンの日本人は勤勉で働き過ぎとさえ云う人さえいる。

 

 世界中で色々な国民と出会ってきた。成長期の国は国民が輝き貧しくても目が輝いている。成長の為の苦労を厭わないという人たちがいる。その人たちは少々汚く品がなくも見えるが、美しく綺麗な格好している日本人がこの人たちより勝っているとは私には思えない。むしろ貧しさハングリーさ、豊かさへの憧憬が、汚れた格好の中にあるので私には魅力だ。

 

3Kと呼んでキツイ、汚い、危険と呼ばれる現業を馬鹿にしている日本人は汚れて汗にまみれることを避けるようになった。

 

 「空き家と唐様で書く三代目」(没落して手放す商売の店を若い頃から手習い遊びで覚えた上手い筆使いで書いている、の意)、日本国内自体が風流で綺麗な服恰好やグルメには強いが、仕事で汚れてガムシャラに働く文化を喪失した。働く前からストレスを訴える若者もいる。しかし、それでも日本人は働き過ぎと勘違いしている国民も多い。

 

 私は20年近く前にアメリカによく行き来した。そこでアメリカ人が効率よく実にアグレッシブに働く姿を見て来た。彼らの行動力や発想に日本人は競争できるのかと思っていた。やがて日本は世界の豊かさトップから堕ちて行ったが、国民は未だ目覚めていない。一瞬だった”ジャパン・アズ・ナンバー1“の地位を永遠に獲得したものと勘違いしている。

 

 私にはもう個人として世界に通用する力を持つ日本人はあたりを見回しても少ないように見える。商売も3代目になると初代の苦労を全く見ていない。豊かさが当たり前と勘違いして没落を招くという正に三代目の時代を、戦後3代目の日本は迎えている。国も貧しい時代を知らない国民の時代になると、今の日本のように贅沢と風流が社会を支配する。

 

 「空き家と風流で書く三代目」、いま日本の至る所でこれが見える気がしてならない。

 

2019.6.14記す

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